強迫症とは
極めて強い不安感や不快感(強迫観念)をもち、それを打ち消すための行為(強迫行為)を繰り返してしまう精神疾患の一つです。
頭の中に浮かぶ考えやイメージに囚われてしまい、それを払拭する為の行為が止められない病気になります。
自分でも無意味なものだと自覚している、もしくは必要な事なのか無意味な事なのかの狭間で葛藤している状態であり、強迫観念が無意味と分かっていても、どうしても頭に繰り返し浮かんできてしまうのです。
このようにストレスが非常に大きく、うつ病や不安症群に分類される精神疾患を併発している方も少なくありません。
また強迫行為が酷くなってしまい、過剰であると認識していても止める事が出来ない為、周囲にいる人まで巻き込んでしまったり、自宅から出られなくなったりしてしまう事もあります。
強迫症の原因は
遺伝要因と環境要因の重なりと考えられていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
幼少期や思春期に発症した方やチック症もあった方では、遺伝による影響は強いと考えられています。
しかしながら、強迫症の両親を持ったお子さんは必ず発症するわけではなく、遺伝的な発症のしやすさがあり、そこに環境要因が重なって発症するのだと考えられています。
環境要因としては、性格傾向やストレスが関係していると考えられています。
性格傾向では、真面目、几帳面、神経質、細かくてこだわりが強いなどが挙げられています。
物事に対してネガティブな感情を持ちやすかったり、回避してしまう行動パターンをとったりする場合も、強迫症と関係すると言われています。
主な症状は
主症状に強迫観念と強迫行為があり、強迫観念または強迫行為による時間の浪費が1日1時間以上存在し、その事により苦痛を感じたり、日常生活、社会的活動に支障をきたしている事があります。
【 強迫観念 】ひとりでに考えやイメージが頭から離れない症状
よく認められる強迫観念には、大きく4つあります。
・汚染恐怖や不潔恐怖 → 汚染や洗浄への囚われ
・加害恐怖 → 禁断的思考への囚われ
・不完全恐怖 → 対称性への囚われ
・溜め込み障害 → 物を溜め込む事への囚われ
例)汚染の心配や、「運転中に誤って人を傷つけていないか」といった攻撃性に関するもの、「きちんと左右対称にしないと不吉なことが起こるのでは」など、しばしば魔術的思考を伴った対称性へのこだわり、物事の正確性の追求、不吉な数字(例:4や9)など
【 強迫行為 】不安を打ち消すための繰り返し行う行為
・汚染や洗浄 → 洗浄
・禁断的思考 → 確認
・対称性 → 整頓、繰り返し、数を数える
・物を溜め込む → 溜め込み
例)長時間の手洗いや入浴、掃除などの洗浄、人に害を加えていないこと、間違いがないことなどの確認、繰り返しの儀式、物を対称に並べる、何度も数える、物を収集し捨てられず溜め込むなど
カウンセリング方針
強迫症の治療では薬物療法の他に、認知行動療法が有効とされています。
うつ状態に陥ってしまっている時にはカウンセリングは行うべきではなく、精神的に落ち着いている時に行っていくと良いでしょう。
また、強迫症は症状が良くなったとしても、再発率がとても高いと言われており、再発をしない為にも、根気よく治療を続ける事が早期改善への近道となります。
認知行動療法では、強い不安の緩和、認知または行動面の歪みを修正していきます。
症状がどの様な場面や刺激により出現し、どの様な観念が生じて不安になるか、どの様な行為や回避を伴い、家族など周囲の巻き込みはあるか、日常や社会生活への影響はどの程度かなどを明確にして、「強迫観念」の認知の修正、「強迫行為」の軽減が出来るよう客観性を回復していきます。
強迫症という病気と向き合い、平穏で、安心出来る日々をカウンセラーと一緒に取り戻して行きましょう。
当店のカウンセリングでは悩みや問題を解決していくサポートの他に、心の癒しを身体の内側から感じていただける空間をご用意しております。
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