引きこもり問題で話題となっている「8050問題」というのをご存知でしょうか。
80代の親が50代の子供の生活を支えているという問題です。
1980年代〜90年代は若者の引きこもりが問題とされていましたが、約30年が経ち、当時の若者が40代〜50代、その親が70代〜80代となり、引きこもったままの状態が長年続き、それを経済的に支える親が高齢化している例が増えているのです。
引きこもりになってしまうきっかけや原因は、それぞれ多様ですが、子供の心の行き詰まりの背景には、親との確執や葛藤を抱えている事が少なくないようです。
感情を解消する事が出来ないまま大人になり、本人も心の行き場がなくなるととても苦しい状態へとなっていきます。
親からしてみれば、愛情を注いで大切に育ててきた我が子が、何故引きこもるようになってしまったのか、きっと見当もつかない事でしょう。
親の言う事を良く聞いて、素直で良い子に育てた自慢の子が、いつしか、学校や仕事へ行かなくなり、やがては部屋に引きこもるようになってしまった。
そして、どうにか自立出来ないかとあれこれ話しかけても、反発され聞く耳を持ってくれなかったり、口論や暴言暴力が増えるようになる。
どうする術もわからず、自分の育て方が悪いとばかり思い、世間の目を気にして相談できずにただただ時間だけが過ぎて行くのです。
深刻な状況になってしまうと、取り返しのつかない事態になってしまうでしょう。
子供が抱える問題
しかし、本当の問題は引きこもっている事ではないのです。
子供自身も引きこもりたくて引きこもっているのではありません。
子供にも自分の意志や感情があり、心があります。
生まれて一番最初に愛情を与えてくれるのは、親しかいません。
どんな出来事もそれを一緒に共有してきたのは、他でもないかけがえのない親なのです。
そんな大切な親の期待に応える為に、子供は小さい頃から忖度し本当の自分の気持ちを抑え込んでいる事が多いのです。
子供があまりにも繊細で感受性があると、親の反応を見て「良い子」を演じていたり、親に言いたい事を言えなくなります。
また自分の気持ちを受け入れてもらえないと感じると、感情処理が適切に育まれず、挫折に弱かったり、人とのコミュニケーションも上手く取れない事で人間関係に行き詰ったりしてしまいます。
こういう子供たちは、大人しかったり相手に合わす事も多く、自分を犠牲にしがちです。
本人の意思とは異なる選択をする事で、無意識に感情を抑圧し、本音で話す事が出来なくなっていきます。
変わりたい気持ちを隠さないで
大切な我が子に幸せになって欲しいと願うのであれば、まずは親の言い分を子供に投げるのを辞めて、子供の話に耳を傾けてみてください。
一言、二言だとしても、否定も反論もせず、ただじっと子供が話す事を真剣に聴いてあげましょう。
親が子供の話を受け止めてくれるだけで、子供は「親に理解してもらえた」「認めてくれた」と安心する事ができ、自然と前向きになるのです。
親自身も気持ちに向き合う
また親も幼少期に自分の気持ちを抑えていた事で、本音の感情を表現する機会がなかったり、感情を十分に受け止めてもらえなかった経験があると、子供の辛い思いになかなか気付けなく、受け止める事も出来ないでしょう。
親自身も感情と向き合う事で、子供の気持ちを素直に受け止めてあげる事が出来るようになっていくのです。
自分の子供が引きこもりになってしまった事で、自分を責めないでください。
また、引きこもってしまった子供の事も責めないでください。
一人ひとりが、自分の気持ちを大切にする事で、家族をも大切に思いやる事が出来るでしょう。
一人で悩まないで、まずはお話から始めてみませんか。
心の翼 沼津店では、引きこもりになってしまった辛い気持ちを優しく受け止めて、心のケアをしていくサポートをしております。
当店のカウンセリングでは悩みや問題を解決していくサポートの他に、心の癒しを身体の内側から感じていただける空間をご用意しております。
お気軽にご相談ください。