認知行動療法(CBT)とは、様々な問題や辛い悩みを「認知」を通して、別の角度から見たり、考え方や行動を少し変える事で、気持ちや身体の不調を和らげ、改善していくという心理療法のひとつです。
人間関係の問題やストレスフルな出来事が起こると、悩みを抱え込んだり、視野が狭くなったりしてしまいます。すると、ワンパターンな考えや行動になりやすく、「どうすればいいのか」「こうするしかない」などと思い詰めて、次第に良くない状況へとなってしまうのです。
そんな辛くて苦しい状況でも認知行動療法を実践すると、過っていた思い込みが修正されて、解決出来ないと思っていた問題や悩みを切り拓いていく最善なヒントが見えてくるのです。
認知行動療法は、うつ病などの精神疾患をはじめとする、様々な心の問題やストレス障害にもアプローチする事ができ、多くの心療内科やカウンセリングルームでも活用されています。日常で感じる気分の落ち込みや自分自身の悩みにも対応でき、心を整える方法や具体的な方策としても利用できるのです。
《精神疾患の改善》
・うつ病や双極性障害
・パニック症
・強迫症
・不眠症
・薬物依存症
・摂食障害
・統合失調症
・適応障害
・発達障害 など
《生活の改善》
・体調管理
・ストレスコントロール
・自信がつく
・自己肯定感が上がる など
認知は変えられる
認知とは、起きた出来事の「捉え方」や「受け止め方」を言います。この認知とともに「嬉しい・悲しい・怒り・不安」などの様々な「気分」や「感情」が生まれ、その感情に後押しされて「行動」が生まれるのです。
事実が一つに対して、捉え方は人によって様々であり、ネガティブに捉えたり、ポジティブに捉えたりする人もいるでしょう。しかし、ネガティブ思考が強ければ、どんな出来事も辛く感じて、次第に苦しみの連鎖にはまってしまいます。
認知行動療法では、認知の歪みがないか整理して、現実に沿ったより柔軟な物事の捉え方が出来るようトレーニングをしていきます。認知が変われば、気分や感情が変わります。気分や感情が変われば、心が変わっていき、心が変われば行動が変わり、行動が変われば身体も快方へと向かっていくのです。
考え方の癖
捉え方や受け止め方には、自分でも気付かない考え方の「癖」があります。癖には「○○すべき」や「白黒思考」、「自己非難」など様々な考え方の癖があり、その癖が活性化すると認知に歪みが生じて、ネガティブな思考になりやすくなるのです。
穏やかな時はバランスが保たれて、癖が表面化していない事もありますが、調子が崩れた時にどんな考え方の癖が出やすいのか、また、捉え方にどのような影響があるのか着目してみると、自分の考え方の癖が見えてくるでしょう。
考え方の癖は、単なる癖であり、癖があるから問題であるという事ではありません。どのような考え方の傾向があるのかを知る事で、癖の強さを適度に緩められるようになるのです。
認知行動療法を実践してみる
認知行動療法を実践するには、まずは自分の行動を記録してみましょう。行動を記録し振り返る事で、自分の気持ちや行動に向き合える為、出来事を客観的に捉える事が出来るのです。
辛い出来事や状況を客観的に見る事で、具体的に自分がどの様にしたいのか、目標や望んでいる事が明確になってくるでしょう。そして、その状況の中で、自分がどういう気持ちなのかが浮かび上がってくるのです。
今まで抑え込んでいた気持ちや、そう感じてはいけないと無意識の内に思っていた価値観が明確になり、悩みの本質にたどり着けるようになります。自分の気持ちや価値観に気付くと、どうなりたいのかが分かり、その為に出来る事は何かを考えられるようになっていくでしょう。
悩みや問題にばかり視点が向きがちですが、認知行動療法を実践しながら、自分の意識や気持ちに変化はないか、自己観察してみると良いでしょう。
ステップ@
自分のストレスに気付いて、心の整理をしてみる
ストレスがどういう場面で起きるのか、その時どんな気分になるのか、その気分の強さは何%くらいか、ストレスの元となっているものは何かを整理して、自己観察を行います。
出来事を詳しく振り返り、客観的に物事を見れるように、自分と向き合っていきます。
ステップA
自分の考え方(自動思考)が、気分や行動にどう影響したのか調べてみる
自分の価値観や考え方の癖により、認知が生まれます。その認知が自分の感情や行動、身体にどのような影響を与えているのか見極め、認知に歪みがないか見ていきます。
ステップB
自動思考の内容と現実の歪みに着目し、柔軟なものの見方に変えてみる
自動思考で生まれる嫌な感情を現実的で、柔軟な考え方に変えられるよう、物事の捉え方を改善していきます。現実に起きている出来事は、良いも悪いもないものなので、中庸で柔軟な考え方が出来るようにしていきます。
ステップC
柔軟な捉え方が出来るようになってきたら、問題を解決したり、人間関係を改善してみる
悩みや問題としていた出来事に対して、どのように捉えて行動したら良いのか実践していきます。具体的に方策を考えて、自分に出来る事から実行していきましょう。行動を起こせば、今まで感じた事のない閃きやヒントが浮かんできて、次のステージへと進めるでしょう。
気付いた時が、変われるチャンス
認知行動療法を実践してみると、今まで気付かなかった考え方や、自分自身を知る事が出来ます。本当に大切な事は何なのか、自分を受け入れたその先に訪れる変化に気付けると、乗り越えられないと感じていた事でも、挑戦してみようという気持ちが沸いてくるでしょう。
メンタルケアサロン心の翼 沼津店では、自分ではどうしたらいいのか分からないと感じる方でも、カウンセラーと一緒に悩みや問題をみていきます。辛くて苦しい悩みの渦から、心穏やかな時を過ごせるよう心のケアをしております。どんなお悩みでも、安心してご相談ください。
当店のカウンセリングでは悩みや問題を解決していくサポートの他に、心の癒しを身体の内側から感じていただける空間をご用意しております。
お気軽にご相談ください。